国際バカロレア
International Baccalaureate
世界150カ国以上で認められている国際的な教育プログラム
概要
国際バカロレア(IB)は、1968年にスイスで設立された国際的な教育財団が提供する教育プログラムです。 多様な文化や価値観を理解し、批判的思考力や探究心を育てることを目的としています。 現在、世界159カ国の5,700校以上で導入されており、日本でも年々導入校が増加しています。
プログラム構成
初等教育プログラム(PYP)
Primary Years Programme
対象年齢:3-12歳PYPは3歳から12歳までの子どもを対象とした探究型学習プログラムです。 6つの学際的テーマを通じて、子どもたちは自分自身、文化や環境について理解を深めます。 言語、社会、数学、芸術、科学、体育の6教科を中心に、探究的な学習アプローチで学びます。
特徴
- • 探究に基づいた学習アプローチ
- • 多言語教育の重視
- • 人格形成と国際感覚の育成
- • 概念的理解の促進
評価方法
継続的な評価と振り返りを重視し、標準テストではなく、ポートフォリオやプロジェクトベースの評価を行います。
中等教育プログラム(MYP)
Middle Years Programme
対象年齢:11-16歳MYPは11歳から16歳を対象とした5年間のプログラムです。 8つの教科グループを通じて、実社会との関連性を重視した学際的な理解を促進します。 批判的思考力やコミュニケーション能力の育成に焦点を当てています。
特徴
- • 8教科での学際的な理解
- • 批判的思考力の育成
- • プロジェクト型学習
- • グローバルな文脈での学び
評価方法
内部評価と外部評価を組み合わせ、パフォーマンス評価やプロジェクト評価を重視します。最終年度には「パーソナルプロジェクト」に取り組みます。
ディプロマプログラム(DP)
Diploma Programme
対象年齢:16-19歳DPは16歳から19歳を対象とした2年間の大学準備プログラムです。 6つの教科群から科目を選択し、3つのコア要件(TOK、EE、CAS)に取り組みます。 世界中の大学で高く評価される国際的な資格を取得できます。
特徴
- • 6教科群からの科目選択
- • 3つのコア要件(TOK、EE、CAS)
- • 国際的に認められた資格
- • 批判的思考と研究スキルの育成
評価方法
内部評価(20-30%)と外部評価(70-80%)を組み合わせ、各教科は1-7点で評価されます。6教科で42点、コア要件で3点の合計45点満点で、24点以上でディプロマを取得できます。
日本の教育システムとの比較
日本の教育システムとの違い
- 学習アプローチ: IBは探究型・問題解決型学習を重視するのに対し、日本の教育は知識習得型が中心です。
- 評価方法: IBは多様な評価方法(レポート、プレゼン、試験など)を用いるのに対し、日本は試験中心の評価が多いです。
- カリキュラム: IBは学際的・概念的な理解を重視し、教科の枠を超えた学びを促進します。
- 国際性: IBは多文化理解と国際的視野の育成を重視しています。
進学時のメリット
進学時のメリット
- 海外大学への進学: 世界中の大学でIBディプロマが認められており、入学審査で高く評価されます。
- 日本の大学への進学: 東京大学を含む多くの国公立・私立大学がIB入試を実施しています。
- 単位認定: 高得点を取得した科目は、大学で単位として認定される場合があります。
- 奨学金: IBディプロマ取得者向けの特別奨学金を提供する大学もあります。
提供学校情報
日本国内のIB認定校
2023年現在、日本国内には約90校のIB認定校があります。公立学校でのIB導入も進んでいます。
海外のIB校
アジア地域では特にシンガポール、香港、中国の国際学校でIBプログラムが広く採用されています。